推論 〜 この十年で構築された集団ストーカーの商業システムとは?


2007年9月、日本国内で初めて集団ストーカーを扱った書籍が発売されました。

「集団ストーカー  盗聴発見業者が見た真実 」 (古牧 和都著 晋遊舎ブラック新書)

著者は盗聴調査業、「情報ガード」さんで、これまで1000人もの集団ストーカー被害者を主張する依頼人に 会ってきたそうです。この著者によると、すべての集団ストーカー被害者は統合失調症をはじめとする精神病患者 で、本当は集団ストーカーなど存在しないのに、精神に問題があるのでそれを認めようとしないだけなのだそう です。

勿論、こんな主張に納得する集団ストーカー被害者はいないでしょう。
被害を受け、つらい思いをしているのは、彼ではなく、私たち被害者です。

でも、もしかしたら、こうした被害者の気持ちこそ、「彼ら」にとっては望むところなのではないでしょうか。

何しろこれまで1000人もの調査を行った、ということは、彼一人でこれまでに1億円以上の金額を稼ぎ出して いる、ということなのですから。

商売繁盛で結構ですね。




私自身はこれまで1996年から10年以上、セガによるガスライティング工作の被害を受けてきました。同じ 被害者だという人に聞いても、これは一般にもそうはない記録だそうです。

しかし、一方で社会には、それ以上の期間被害を受けてきたと主張する人も存在しています。

私はこの主張自体は本当だろうと考えています。
といいますのも、日本にはこれまでもバブル期の地上げ屋や興信所をはじめ、特定の嫌がらせを請け負う業者は 存在していました。大きな財産や宗教、あるいは特殊な確執が絡む場合など、そうしたことが偏執的に長期間 行われていたとしても不思議はないと思うからです。

ただ、私がセガからの集団ストーカー被害を受け始めた十年前と現在では、社会における集団ストーカーのあり 方に大きな違いがあるように思えます。

一つは、マスコミをはじめ映画やドラマ、デスノートをはじめとした漫画など、一般家庭をターゲットにした 盗聴盗撮を扱う商品の氾濫。そして単なるのぞき魔にすぎないはずのストーカー行為が、そうした中で時には 説教がましささえもって正当化され、うさん臭さをごまかした娯楽商品として定着させようとされてきた点。

もう一つは、本来特殊なケースであるはずの集団ストーカーが、全国的に表面化してきたこと。ネットの普及で 表面化した部分もあるでしょうが、そうした被害者の方々には特定の宗教団体に関わらない人も相当数含まれて おり、被害暦を見ると概ね最長「8年前後」というものが多く、つまりこの10年で急激に増加しているのです。

さらにもう一つ。上記のように特定の人物を嗅ぎまわったりつきまとったりするのは、三文小説やドラマでは、 昔からよくあるシチュエーションであり、その役を「興信所」や「探偵」が行うのは珍しくありません。勿論 そうしたフィクションを鵜呑みにするわけにはいきませんが、たとえそれが単なる浮気調査にせよ、同様の事が 実際行われてきたことに、そう疑う余地はないでしょう(その調査依頼が正当な立場の相手からなされるとは 限らないのですから)。
つまり、集団ストーカーという名称こそなかったものの、同様のつきまとい行為は、これまで探偵業者によって 昔からずっと行われてきたことではないのか?ということです。
ではなぜ、身に覚えがあるはずの探偵業者自身は、紙一重であるこうしたストーカー行為の存在について、必ず 「そんなものは存在しない」「全て気のせいか統合失調症の産物である」と言い切ってしまえるのでしょうか。



それを考える際、私は以下の事柄を踏まえてみるべきだと考えています。



ひとつは私自身の経験で、2002年頃の話です。

私は「全国展開している大手探偵業者(今回は名前を伏せておきます。まあバレバレでしょうが)」に盗聴器の 調査を依頼しました。その一年ほど前、名古屋で勤めていたソフト会社の寮に入っていた際、その部屋にチラシ が入れられていたのです。

その名古屋支店からやってきた業者は二人連れで、ハンディタイプの電波受信機を手に、家の中をうろうろと見て 回りました。ですが、その受信機は、以前私自身が盗聴器を調べようと近所の無線販売店で入手したものとまるで 変わらないもので、なんとも頼りないものでした。結果は発見できず。私は以前NTTの作業服を着た二人組が、 自宅前の電話線で作業していた旨を話し、有線による盗聴の可能性を話しましたが、業者はそれは自分たちでは どうにもならないとの事でした。

結局、私はほんの1時間家の中をウロウロしただけの相手に約8万数千円を支払うことになり、何とも腑に落ち ない想いでした。


それからしばらくして、家のポストにまたしても同じ探偵業者のチラシが入れられていました。今度は家から10 分程度の場所にある支店だそうです。私はそんな支店があるとは全く知りませんでしたし、先日のことからあまり 必要性を感じませんでしたが、とにかく近いので一応チラシをとっておくことにしました。


半年後、相変わらずガスライティング工作に悩まされていた私は、仕方なくこのチラシの支店にもう一度調査を 頼む事にしました。

しかし、この時既に屋内も電話も安心できない状態にあった私は、直接この支店に出向きました。ところが、 地図を片手に記された住所を調べても、どこにもそんな事務所は見つかりません。そこで近くにあった公衆電話で 直接問い合わせると、「これから行くのでそちらからは絶対にくるな」との事でした。結局私は1、2分でつく はずの場所にその後1時間待たされました。

やってきた業者の男性は人当たりの良さそうな雰囲気で、こちらの話しを真剣に聞いてくれている風で、「大変 でしたね」「それはすごいですね」と理解を示している様子で、一見とても信用できそうに思えました。
その後、盗聴犯にばれない連絡方法を考えるという話になり、携帯電話にも不安を感じていた私は、最近親名義で 別の携帯を使うようになっていたので、この男性にその事を伝えると、「ぜひそちらの番号を教えてくれ」と 言われました。

が、その時何となく引っかかるものがあって、私は試しに古いほうの番号を伝えました。すると彼は「え、この 番号違うんじゃないですか」と言ったのです。

私はゾッとして、すぐにこの依頼を取り下げました。その後もこの探偵業者の支店は一切見つかっていません。


私がここで気になるのは、何故この探偵業者は「集団ストーカーに悩まされている人間の家に、支社があるなどと わざわざ住所を偽ってまで、逐一ダイレクトにチラシを投函してくるのか」ということ、そして「わずか1時間 他人の家に滞在しただけで10万円近くの金額を稼ぐ、盗聴調査業の効率の良さ」です。



もう一つは、探偵業界の市場における需要と供給の事情です。

日本では何年か前、「探偵養成スクール」が大流行した時期があったそうです(自分も何となく見覚えがあります)。 映画やドラマのイメージもあり、かなりの数の志望者が集まり、特に必要な資格もなかったため、かなり過剰な 人数がこの業界に流入したようです。

しかし探偵の数が増えたからといって、市場そのものが拡大するわけではありません。そのため仕事にあぶれた 探偵業者が、嫌がらせや裏工作を請け負うようになった、という背景があるのだそうです。
いかにもありそうな話だと思うと同時に、「大きな看板を出している探偵会社というのは、こういう汚れ仕事を やりたがるものなんだろうか」という疑問も感じました。

それだけ就業人口が増えれば、全ての会社が同様に仕事を得られるわけではなく、「大手」と「下請け」の関係も 生まれてくるでしょう。でも、この場合の「下請け」とはどんな仕事なんでしょうか。

実働的な部分を小規模会社に降ろすのでしょうか。それも有効な時はあるでしょうが、基本的に関わる人員が 増えれば増えるほど、利益率は低くなります。

では、「下請けとなった彼らにまわされるのは、果たしてどんな仕事なんでしょうか?」



※ ここから先はあくまで私個人の想像である事をあらかじめお断りしておきます。



ここまでの事を考え合わせると、何となく一つの想像が浮かんできます。

冒頭の情報ガード氏のように、「1000人もの調査依頼者を得られる世の中というのは、彼らにとって極めて 都合のいい世の中ではないのか?」という疑問。

言い換えれば、


「この10年間で、探偵業界における需要と供給の構造に、これまでにない不穏な手段が持ち 込まれているのではないのか?」

ということです。


もともと探偵業とは、何かを作り出して売る商売ではありません。一方で、サービス業としてもあまり公にしたく なる類のものではありませんから、「なにかヒット商品が生まれれば一気に市場が拡大する」という類の商売では ないのです。
しかし一方で、探偵スクールなどから過剰な人員がこの限られた市場に流れ込むと、どうしても何らかの形で市場 拡大の方法を考える必要が出てきます。ですが、探偵業にわざわざ高いお金を出して仕事を頼みたがる人間など そうそう増えるわけではないでしょう。


では、もしも、「市場が足りないのなら、市場そのものを大きくすればいい」、即ち

「探偵に仕事を頼みたくなる人間をふやせばいい」

と考えた人間がいたとしたら?




おおまかな収益モデルはこうでしょうか。


@ まず一定の基準にあった被害者を選定し、そこに「下請け」が嫌がらせや周囲の環境への働きかけを実行する。
(ガスライティング工作)


A 被害者の周辺でネガティブキャンペーン実行。孤立化させ、相談できるような相手を排除する。
(悪評を流すなどの風評被害)

ネット上では被害者団体へのかく乱が常時行われており、自力での問題解決、事実の発覚への抑止。
(「電磁波攻撃」「思考盗聴」などニセ被害者を使った事実の婉曲による信憑性の低下)
(なりすましによる中傷妨害で被害者間の議論、情報交換を妨害)
(2ちゃんねるなど掲示板サイトへの一行書き込みのような「あげ」行為でスレッドを過去ログへ排除)


B 被害者がいずれかの探偵業者に相談にきたら、盗聴調査あるいは通常の調査を勧める。中々依頼に来ない場合 は、被害者の自宅にダイレクトメールを送付。


C 調査を実行。基本的に成果物はあげない。被害者には「全てあなたの妄想」とだけ伝える
(この時点でまず10万以上の収益が発生)。


D 当然大半の被害者は納得しない。再調査の場合はCに戻る。

より深い調査を希望する場合はC+αの収益が発生。

防犯設備を設置する場合は、監視カメラなど本来一般家庭には必要のない設備を売りつける。通常の電気店で購入 する相場より大きな利ざやが発生
(訪問販売でツボや布団を売りつけるのと同じ)。


E 一度でも調査依頼を出した人間はリピーターになる可能性が高いカモなので、継続してガスライティング 工作のターゲットになる。
(訪問販売のセオリーと同じ)

逆にあまり堪えた様子がなく、「不良顧客」と判断された場合はターゲットから外され、別の被害者へとシフト していく。


この構造にはいくつかのオプションがあると考えられます。

A システム自体は常にアイドリング状態にあるので、特定の企業、団体から依頼がある場合、被害者は要望に あわせて変更される。これも別なルートの収入源となる。


B ガスライティング工作の過程で得られた個人情報もまた収入源として、売買の対象となって利用される。

など。


そして、こうした活動で得られる一次収入は、基本的に看板を出せる探偵社、つまり「大手」にまず入ることに なります。その後、この中から実際に依頼に訪れた被害者を担当した新参の中小探偵社、つまり「下請け」に 成果報酬が支払われます。

このため、万が一ガスライティング工作の実行グループである「下請け」探偵社がミスを犯して検挙されることに なった場合でも、調査を担当した「大手」探偵社は無関係を装うことができます。
それどころか、場合によっては「下請け」会社を犯人として扱い、自ら工作業者撃退を標榜することもできるで しょう。



つまり、この場合の下請けとは、


「人手が足りないので仕事を手伝う外部スタッフ」 ではなく、


「仕事そのものを生み出すために、苗床となる被害者を作り出す外部スタッフ」


ということになります。彼らは市場創出と「危険負担」(ヨゴレ仕事)を引き受けているわけです。


こうしたネットワークが全国規模で展開された場合、被害者がどこへ引っ越したとしても必ずその土地専門の 担当者がいることになりますから、被害者がここから抜け出すのは極めて困難といわざるを得ないでしょう。



ざっと考えてみましたが、いかがでしょうか。

冒頭の「集団ストーカー  盗聴発見業者が見た真実 」の中で、著者の情報ガード氏は「謎の秘密結社の存在」 「脳波を盗聴され、心を読まれる」「電磁波で攻撃されている」「そんなことをしても得をする人間などいない」 といった話をあげ、だからそんなことはありえないという結論に持っていっています。

本当にそうでしょうか。


別に秘密結社でなくたって悪巧みをする人間はいます。

脳波を盗聴されなくたって、電磁波で攻撃されなくたって、嫌がらせはできます。

他人に嫌がらせをすることで利益を得るケースもないとは言い切れません。


これはSFまがいのハイテクなど関係のない、むしろオレオレ詐欺や悪徳訪問販売の感覚に近い、無防備な一般 市民を相手にするからこそ成立する、もっと陳腐で泥臭い話なのではないでしょうか。


そして、本書で情報ガード氏が紹介している異常でとんちんかんな依頼者の例は、たった25件、つまり全体の わずか2.5%です。それどころか重複した被害者の話を書いている可能性も捨て切れません。

残りの97.5%、つまり「ほとんど」についてはどうなんでしょうか。

そこから彼は一体どれほどの収入を得ているのでしょうか。

この25件の中でさえ、彼はすでに監視カメラを売りつけている例を紹介しています。となれば、残りの975 件の人々に対して、彼は一体どれくらいの売り上げを達成しているのでしょうか。


また、「間違った情報の上に妄想を積み上げている」として紹介しているサイト(まあ確かに中にはそういうの もありますが。半分ぐらいは加害者側が構築したニセ被害者サイトなのだから当然です)として、「集団ストー カーの星」などという呼び方でこちらのサイトを紹介 しており、裁判を起こしているものの、実際には全面敗訴も同然、などと、さも大したことはないかのように 書かれています。

しかし、このサイトの真の功績は、実際に裁判を起こしたことだけではありません。

この集団ストーカーという行為が、1994年アメリカで発刊された書籍「Gaslighting: How to drive your enemies crazy」で、人種差別に用いられるノウハウを源流とした、既に体系化されて紹介されているシステム であり、現在の集団ストーカー行為が、それの「まるパクリ」によって行われていることを突き止めたことなの です。

にもかかわらず、情報ガード氏はこの点について完全に無視しています。



勿論ここで私が書いた事は「単なる私個人の想像の産物」であり、何の根拠もない思いつきの憶測でしかあり ません。現実に起こっていることとは似ても似つかない可能性も十分あるでしょう。


ただし、それは情報ガード氏が吹聴するように「この世に集団ストーカーなど存在しない」ということでは ありません。

むしろ実際には、より悪知恵のきいたモデルが確立されているはずだ、ということです。



そしてこうしたシステムが世の中にはびこるきっかけを作ったのが、株式会社セガの存在だと私は考えています。
某掲示板情報ではありますが、彼らはこんな風に語っていたそうです。



「盗聴もビジネスモデルの一つだ」と。



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